添加物」は消費者のためではなく、業者の利益のため?

厚生労働省は「使用基準さえ守っていれば食品添加物は安全」と口を揃えます。つまり、「業者が悪いことをしない」ということを前提に食品添加物は許可されているというスタンスです。

裏を返せば、使用基準を間違えると、とんでもない被害が出るような化学物質でもあるということです。いくら微量でも、そのようなものを食品に使うこと自体が間違っているのです。良心的な業者ばかりなら厚労省の言うこともある程度納得できるのですが、様々な悪徳業者が闊歩しているのが日本の食品業界の現実です。

もう1つ例です。1981年から82年にかけて、肉を食べて皮膚の紅潮、体のかゆみ、発疹、咳などの中毒症状を起こす人が日本各地で続出しました。

原因は食品添加物のニコチン酸(強化剤)の過剰摂取でした。ニコチン酸を古い肉に使用して、新鮮な肉に見せかける手口が、食肉業界で当たり前のように行なわれていたのです。

 

それ以来ニコチン酸は食肉や鮮魚・魚介類には使用できなくなったのですが、このように、行政は具体的な被害が出てからでないと動かないのです。

それどころか、現在はニコチン酸に代わり、ある添加物が古い食肉を新鮮に見せるために使われている。「牛肉によく使われています。真似するものが出ると困るので、物質名は明らかにできませんが、この添加物を、古くなって赤黒くなった肉の表面に塗ると、見事なまでにきれいな赤色になり、新鮮な肉に見えます。でも表面の肉を一枚はがすと、中は赤黒い色のままです」(食肉業界関係者)

食品添加物は消費者のためではなく、業者の利益のために使われているということを忘れてはいけません。