賢い消費者が注意する「牛肉」の知識
賢い消費者が注意する「牛肉」の知識 はとても大事です。牛肉はたくさんの種類があるので注意しなければいけません。
賢い消費者が注意する「牛肉」の知識 毒消しは 5 分でできる
一口に牛肉といっても、
- 和牛肉
- 国産牛肉
- 輸入牛肉
とあります。また JAS 法が改正されたため、生鮮食品の 1 つとして、原産地表示が義務づけられました。
原産地表示についていえば、国産品は国産である旨を表示します。この場合は、都道府県名、地名でもかまいません。輸入品は原産国名が表示されます。
なお、JAS法では、産地を「一番長く飼育された土地」と定義しています。いわゆる「銘柄牛」には「和牛肉」と「地域銘柄牛肉」の2種類があります。「和牛肉」は品種名を指します。
「和牛」は、法律で 4 品種(黒毛和種 褐毛和種 日本短角種 無角和種種)だけを示すことになっています。ですからほかの品種を「和牛」と称するのは法律違反になります。
もともと食肉用に飼育され、品種もよく、安心度は高いと見てよいでしょう。なお黒毛和種がほとんどですが、供給量が限られているので(国産牛の約 40% くらい)、この表示の肉が多く並べられている店の場合、偽装表示の心配があります。
「地域銘柄牛肉」は、松坂牛など産地の名前のついた牛肉で、これが商品名になります。ただ「○○牛」(○○のところに地域名が入ります) という形で地域が明示されている場合でも、必ずしもその地域が原産地を表しているとは限りません。
また、「和牛」と表示されていない限り、その牛肉は「和牛」ではないことも知っておくこと。「和牛」や「地域銘柄牛肉」の安全度は、国産牛という表示の牛肉よりは高いと考えてよいでしょう。
つぎに、「国産」とだけ表示されている牛肉ですが、これには以下のような種類のものがあります。
- 和牛や地域銘柄牛以外の肉専用牛肉
- オスの乳牛 ( 去勢牛の肉 )
- メスの乳牛 ( 搾乳しなくなった乳牛〔廃用牛〕肉 )
- 黒牛・黒毛牛( 外国種のアンガス種系統牛の肉 )
ポイントは、ただ、国産と書いてあるものや、都道府県名が書いてあるものよりは、地域名の原産地表示のあるものを選ぶこと。国産牛の安全度は銘柄牛に比べるとやや低くなります。
この牛肉の場合は、たれにつけるなどの除毒の過程のある料理(たとえば焼き肉、シチューなど) に使うようにします。
最後に「輸入牛肉」です。アメリカ産、カナダ産は、穀物飼育牛肉と牧草肥育牛肉の2つに分けられます。脂肪の色が白いのが特徴です。オーストラリア産、ニュージーランド産は牧草肥育で、脂肪の色が黄色なのが特徴です。
抗菌性物質や女性ホルモンなどの不安は不明の部分が多いようです。
なお、BSE(牛海綿状脳症= 狂牛病) に関しては、オーストラリア産、ニュージーランド産は不安はありません。ただ、輸入牛肉も、除毒過程(調味液につける、アクをとるなど) のある料理に使うようにします。
また、農水省が定めた食肉小売品質基準表示によれば、種類、部位、用途を表示することになっています。たとえば、「種類(午)、部位(サーロインなど)、用途(ステーキ用など)」というようにです。
もちろん、以下のような抜け道は存在しますから注意してください。
- 外国で生まれ育ち、生きたまま日本へ輸入された場合、日本で 3 ヶ月以上飼育されたのちに処理された牛の肉は、「国産」という表示をしてもいいことになっています。
- 焼き肉用セット」は生鮮食品に分類され、「焼き肉セット」は加工食品に分類されます。異なる部位の切り身を1つのパックにした「焼き肉用セット」は生鮮食品で原産地表示の義務があります。一方、肉を調味液につけたり、塩、コショウがしてある「焼き肉セット」は加工食品なので、原産地表示の義務はありません。
- 表面だけをサッと加熱してあるたたきやローストビーフは加工食品です。
- 牛だけのひき肉は生鮮食品で原産地表示が必要ですが、午、豚の合いびきは加工食品となり、原産地表示は必要なくなります。
安心のための毒消しテクニック
- 脂身を切りとって使うこと。ダイオキシンなどの不安物質は、脂身に残っている場合が多いからです。
- 湯どおしをすること。牛肉の薄切り、細切り、角切りは、お湯で三分ほどゆでてから食材として使います。これで、まだ残っている農薬やダイオキシン、抗菌性物質を減らすことができます。肉じゃがなどをつくるときも、まずは、ゆでこぼしをしてから。
- アクとり。シチューなどは、肉をコトコト煮ながら、浮いてくるアクをていねいにすくうこと。アクには、牛肉から溶けだした不安物質がいっぱい入っています。アクとりは、その不安を解消する除毒のテクニックでもあるのです。
- タレを捨て、二度づけすること。調味液やタレ、みそなどに肉をつけて下味をつけるとき、まず10〇分ほどつけて、いったん調味液やタレ、みそを捨てます。そこに不安物質が溶けだしているからです。肉についているみそなどもていねいにとり除いてから、新しい調味液、タレ、みそにつけ直しましょう。
- しゃぶしゃぶ。これほどよい除毒の方法はありません。ただし、溶けだした不安物質は、お湯のほうにたまる一方。自宅で調理するときは、途中でお湯をとりかえるぐらいの気配りを。
BSEの問題
もうひとつ、忘れてはいけないのがBSEです。体の中にあるプリオンというタンパク質が、何らかの理由で異常な形に変化したときに発生すると考えられています。BSEの潜伏期間は、牛で2~8年といわれています。
牛がBSEにかかる主な原因は、飼料中の肉骨粉と考えられています。1996年、イギリスは、 BSE に感染した牛の肉を食べると、人間にも感染する可能性があることを公式に認めています。
人間が感染すると、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病という死亡率の高い病気になります。
しかし、 BSE が人にも感染するらしいことは確かですが、たとえ羅漢牛でも、通常食べている牛肉や乳製品には問題は少なく、人への感染リスクも少ないこと、また、 2001 以降、日本では BSE 検査が全頭に実施されていますから、あまり神経質になる必要はない、ともいわれています。
もちろん、どんな牛肉が安全なのかに関する知識を持っているに越したことはありません。以下では、安全な牛肉の簡単な見分け方を紹介します。そのためには、「和牛」「国産牛」「輸入牛」の区別や、肉の各部位の危険度の違いに注意することが重要でしょう。
和牛の場合
肉専用の和牛は、ひと応安心と考えていいでしょう。飼料に肉骨粉はまず使われていませんし、精肉に感染物質も入っていません。「和牛肉」は(偽装がなければ) 表示で選んで買うことができます。
国産牛の場合
国産牛には、大きく分けて 3 種類あります。
- 和牛以外の肉専用牛の場合これも、飼料に肉骨粉はまず使われていないので、精肉は一応安心と考えてよいでしょう。
- 乳牛(オス)の場合去勢牛です。飼料に肉骨粉はまず使われていないので、その精肉は安心と思われます。しかし、BSEの不安が残る乳牛(メス) から生まれている以上、感染の不安がないとはいえません。
- 乳牛(メス)の場合(廃用牛)搾乳しなくなった乳牛(廃用牛)は、飼料に肉骨粉(乳量を増すために与えられていた) が使われていた可能性もあり、飼育期間(月輪五年以上)が長いものが多いので、その精肉は一応不安と考えます。
輸入牛の場合
輸入牛肉は、オーストラリア産はまず安心です。なお、BSE問題で、輸入停止になっていたアメリカ産牛は、、生後20カ月以下の牛であること、特定危険部位を除去することを条件に輸入が再開されたのですが、わずか1ヶ月半後に危険部位の混入が確認され、輸入は再停止となっています。
部位で危険なのは内臓です。危険とされている回腸遠位部が小腸の一部なので、ホルモンとして出回っている可能性があります。しばらく内臓系のものは避けたほうがいいでしょう。
「ひき肉」は、内臓を混ぜないので一応は安心ですが、Tボーンステーキなどの「骨付き肉」になると若干危険になります。牛乳などの乳製品は、まず安全です。BSE以来、焼き肉店を敬遠している人たちが多いようですが、焼き肉は、多くの人に好まれる人気メニューですし、肉は栄養にとっても大切な食べものです。
心得ていると安心なこと
BSE の不安がほとんどないのは
- カルビ
- ロース
- ミノ
- センマイ
- ハラミ
- タン
- テール
- レバー
- ハツ
などの部位です。一方、
- 骨付きカルビ
- ヒモ
- シマチョウ
などのホルモン系は少し注文を控えたほうがいいでしょう。
カルビクッパ、カルピスープに関しては、どの程度注意したらよいかは微妙なところです。というのは、食材を処理する投階で脊髄などの部位が混じる可能性があるからです。
また、加工食品のうちに、不安な原材料が使われていることもあります。
不安度が高いのは、
- 牛エキス
- 牛ブイヨン
- 牛脂( ヘット)
- ゼラチン
- コラーゲン
などです。つくるときに、脊髄などの部分も一緒に混じってしまう可能性があるからです。
完全に安全であるとはいえないのは、動植物性油脂(牛脂が使われている可能性がある)、タンパク加水分解物(不安な部分の混ざった牛肉などが使われている可能性がある)、乳化剤(牛脂などが使われている可能性がある) などです。
ほかに、不安な原材料がよく使われる加工食品には、次のようなものがあります。
- 即席中華めん( スープなど)
- スナックめん
- カレー(ルウを含む)
- スープ( コンソメ、ポタージュなど)
- シチュールウ
- ソース(デミグラスソースなど)
- ハム
- ソーセージ
- 冷凍食品
- 米菓
- スナック菓子( コーンなど)
- ヨーグルト
- ラクトアイス
- ゼリー( ゼリーの素など)
などです。ただし、現在では、不安のある原材料を使用していない加工食品がいろいろ市販されていますから、それらを選ぶようにすればいいでしょう。
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