ファースト・フードの油

脂肪には大きく分けると3つの種類があります。

  1. 飽和脂肪
  2. 単不飽和脂肪
  3. 多不飽和脂肪

の3つです。

飽和脂肪の特徴は室温で固体状をなすことで、肉類に多くふくまれています。だから動物性脂肪ともいわれるのですが、植物油のなかにもこれを多くふくんでいるものがあります。

ココナツ油、ヤシ油などだ。現代人を病気にさせている(あるいは不健康にさせている) 原因の1つは、この飽和脂肪のとりすぎだと警告されています。
ステーキやすき焼きをいつも食べているような人はとりすぎの筆頭ですが、そういう高価なものとは無縁の庶民も相当量の飽和脂肪をとっていて、それが病気につながっているのです。

とりすぎになっている最大の理由は2つあり、1一つはファースト・フードとレストランです。

もう1つは冷凍食品と加工食品の普及です。アメリカでは1日に4500万人もの人がファースト・フード・レストランで食事をしていて、マクドナルドだけでも年間に600億個ものハンバーガーが消費されています。むろん料理はハンバーガーだけではないので、選択の幅はあるけれども、ファースト・フード・レストランでは、だいたい何を食べても飽和脂肪のとりすぎになります。

なぜかというと、飽和脂肪を高率にふくんだ油を調理に使っているからです。飽和脂肪は不飽和脂肪に比べると熱による変化が起きにくい特徴があります。

植物油や魚の脂に多くふくまれている不飽和脂肪は熱によって酸化しやすいけれども、飽和脂肪は比較的安定しています。だから大量の揚げものをやらなくてはならないファースト・フード・レストランでは飽和脂肪を使うということです。

牛脂、ラード、ココナツ油、ヤシ油などである。わが国でもトンカツ屋はラードを使っているところがほとんどです。そこでトンカツを考えてみると、豚肉自体に飽和脂肪が多いうえに、飽和脂肪を高率にふくんだ油で揚げているのだから、これをいつも食べているような人は当然、飽和脂肪のとりすぎになります。

トンカツのように甚だしくなくても、えびフライや魚のフライを食べてもやはり飽和脂肪のとりすぎになります。えびや魚自体にはほとんど飽和脂肪はふくまれていないけれども、ころもにたっぶり飽和脂肪が渉みこんでいるからです。

この飽和脂肪の害が問題になって、アメリカでは1986年に、マクドナルドとバーガ・キングが、揚げもの用の油を牛脂から植物油に切り換えると発表しました。

他のレストランのチェーンもそれに追従したところが多く、アメリカ人の飽和脂肪の摂取量は確かに減少したけれども、今度は別の問題が起きています。

植物油を変質するまで使いつづけることによって起こる害です。植物油は不飽和脂肪を多くふくんでいるのだから加熱すると酸化しやすくなります。だから何度も揚げものに使っていれば当然、酸化します。

そして、酸化すると過酸化脂質という有害な物質が生成されてしまいます。その害が今度は大きくなったのです。それにまた高温で加熱すると植物油はトランス型という異性体を生み出します。油を構成している不飽和脂肪酸の配列が変わってしまうのです。

自然の状態ではシス型という配列になっているものが、トランス型という不自然な配列に変わるのである。このトランス型になった脂肪酸もまた有害で、体内の重要な代謝を妨害します。多不飽和脂肪酸がプロスタグランジンという局所ホルモンに変わるのを妨げます。そして、健康のレベルを低下させていく。では一体どうしたらいいのかというと、できるだけ揚げものを食べないようにすることしか防衛策はないのです。

脂肪分の多いものは極力避ける習慣がとても大切です。

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