屠殺場に来る 豚 の 半数以上 は 病 に おかされている

2021年10月24日

屠殺場に来る 豚 の 半数以上 は 病 に おかされている という事実はご存じですか?日本全国で2013(平成25) 年度に屠殺された豚は1694万3135頭、そのうち1025万2084頭は一部廃棄され(残りの部分は市場に出荷されます)、20万477頭は全部廃棄されています。

これは、屠殺場に連れてこられた豚の約6割が病気のため全部、あるいは一部が廃棄されたということです(ちなみに牛は約6.6割)。このデータは、かなりの数値のように思いますが、あまり話題にのぼることはありません。6割というのは目をむく数字です。健康体の豚は4割以下しかいないということですから。

豚 の 半数以上 は 病 に おかされている
豚 の 半数以上 は 病 に おかされている

畜産農家からすると、半分以上は病気の豚を育てているということになります。ここにはとてつもなく大きな問題が潜んでいると考えなくてはならないでしょう。

豚 の 半数以上 は 病 に おかされている

畜産業界では、半数以上が病気になるような育て方をするのが半ば常識になっているということです。生き物を病気になるように育てるとは、いったいどういう育て方をしているのでしょう?

しかも、やがてその生き物の一部は私たちの口に入るのです。今、かなり多くの家畜の体内には腫瘍が発見されるそうですが、腫瘍や膿はきれいに除去され、洗浄、消毒したものが食肉として流通しています。それが一部廃棄の頭数に含まれているわけです。

こんな肉、食べたいでしょうか。ここで、一部あるいは全部廃棄せざるを得ないような肉を、私たちは食べる必要があるのかという問題を提起したいのです。

背景には「安く、おいしく、だけど安全な物を提供しろ」という消費者のわがままがあると思うのですが、これは同時には成立し得ない条件です。安ければ味は落ち、危険性も高まります。

おいしくて安全なら、それなりの値段になるはずです。

生産物に対して正当な価格を付けることにもっと意識的になろうということなのです。これだけ安全性を考慮して作られた農畜産物だから、これだけの価格は当然だろう、と評価できるような情報を正直に開示し合わなければならないのです。

それがなされずに安全性が確認できる方法が他にあるでしょうか。生産者がきちんと安全性を示す情報を開示し、それに基づいて消費者が正当な価格のお金を払い、自分たちが食べる物を買う。このようなまともなサイクルを作らないことには、間遠った現状は変わらないでしょう。

今は効率化、コスト削減ばかりを追求することになっていて、生産者も嫌な思いをしながら作っているのです。ある豚肉生産者は、コスト削減を図りたいがゆえに、コビ二から売れ残りの弁当など廃棄される残漬をもらい受けてきて豚のエサにしていたところ、奇形や死産が極端に増えてしまって仕事が続けられなくなり、畜産業自体を廃業してしまいました。

その人にとっては思い出したくもないトラウマになってしまったのです。そんな悲惨な思いをする必要は本来ないはずです。生産者は愛情を込めて一頭一頭手塩にかけて育て、大きくなつたら売りに出す。食べる側も、その育てられ方ならこれだけの価値があると考える正当な金額を払い、ありがたいと感謝しながら味わって食べる。

このサイクルが作られれば、骨が幸せになります。ですから、価格の面で消費者側にもきちんと歩み寄って欲しいですし、生産者側にも、誠実に自分のミッションを全うして役割を果たして欲しいとつくづく思っています。そういう世の中を骨で作っていくためにも、この豚肉の問題はいいケーススタディーだと思います。

豚肉の消費量は大きいですし、身近な食材ですから。豚でよいサイクルが作られれば、鶏や牛でもうまく作られると思うのです。安全性の高い、きちんとした育て方で育てたいと、良心的な多くの生産者は思っています。それで彼らの生活が成立するように、消費者も自分たちの役割を果たすことが急務だと思っています。消費者側からすると、食べる量を今より減らすことも必要になるでしょう。

そもそも、現代人は食べ過ぎなのです。人間は、それほど肉や魚を食べる必要はないはずです。実際、昭和30年代から40年代ぐらいまでは、日本人の食肉の消費量は格段に少なかったのです。では、その頃の日本人は丈夫ではなかったのかというと、むしろその頃のほうが今よりも健康でした。

今のように2人に1人ががんに雁ったりはしませんでした。肉をたくさん食べるようになってから疾病が増えたとも言えるのです。

少なくとも、今のように大量に食べる必要はどこにもないことは歴然としています。ランチに何を食べるか考えるとき、カツ丼だとか、焼肉定食だとか、本当に肉が食べたいかどうかをよく自分の身体に確かめることもなく、ルーティンのように安易に選んでいませんか?

普段どのくらい肉を食べているかひとりひとりがより自覚的になるだけでも、全体の肉の摂取量は変わってくると思います。この豚肉の問題は、生産者と消費者がお互いに協力し合うことができさえすれば解決がつく問題だということは強調しておきたいと思います。

これから、私たちの国がTPPなど貿易に関する協定を外国と結ぶことになったとしたら、今よりも関税を低く設定することになるでしょう。そうすれば、海外産の豚肉がはるかに多く入ってくることになります。そのときには、今よりもっとシビアに安全性を確認しなければならなくなりますので、消費者はそういうことも承知した上で、交渉の推移を注視しながらいろいろと考えておかなければなりません。

肉類

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Posted by eating-out