原産国表示では、袋詰め・パック詰めされた国が原産国となります。たとえば北朝鮮でとれたシジミでも中国でパックされて日本へ輸出されれば中国産です。
カット野菜などは、ほとんど中国産野菜であっても、日本で袋詰めしていれば、袋詰めした県が原産地表示されてしまいます。養殖魚は、ウナギなどの稚魚は中国からの輸入に依存していますが、成育期間の長いほうが原産地となります。
これは生体で輸入された牛も同じです。缶詰は最終的な加工を施した国が原産地となります。したがって、中身が外国産でも日本で缶詰にすれば国産となります。ただ、そもそも商品には産地表示していないものが多くなります。
たとえば千葉県銚子のシンボル的存在の「大羽いわし」。この缶詰を巡って2003年に、大手水産メーカーと地元のメーカーとの間でトラブルがありました。地元で大羽いわしが不漁のとき、地元メーカーはアメリカ西海岸産のイワシを使い、「大羽」の名称を外したイワシ缶詰を作り、「アメリカ西海岸産」と表示し販売していました。
一方、大手水産メーカーは北アメリカ産のイワシを原料に、原産地表示なしで「大羽いわし」の名を付けた缶詰を売り出しました。
これに怒ったのが地元メーカーと地元漁連で「『大羽いわし』のイメージダウンになる」として、大手水産メーカーに原産地表示の要望を出したのです。
これに対し、大手水産メーカーは、「サバ缶など、他の輸入原料を使った缶詰も当社では原産国表示をしていない」と、答えたのです。その後、大手水産メーカーと地元メーカーの話し合いで一件落着となりましたが、大手メーカーの缶詰の原料は、外国産でも原産国表示はされていないことは明らかになったのです。