住まいで使われる洗剤は大丈夫?

強力な洗浄力の中性洗剤は石油化学製品

家庭で使われる洗剤には、、衣類を洗う洗濯用、お皿などに洗浄に使われる、台所用、お風呂を洗うバス用、トイレを洗浄するトイレ用、家具・住宅用など多種多様なものがあります。泥汚れなどは洗剤を使わなくても、洗濯機ですすぎ洗いするか、手でもみ洗いするだけで落ちますが、繊維の間に入り込んだり、食器にべっとりと付着した油汚れは、物理的な方法では落とせなかったり、落とせても非常に手間と時間がかかるものです。
そこで油系の汚れを落とすために考え出されたのがセッケンです。ヨーロッパでは古くから動物の脂と灰を混ぜたものが衣類の油汚れ落としに利用されていました。これが洗濯用セッケンの元祖でもあります。この伝統的なセッケンを追い抜いて、現在の洗剤の主流となっているのが合成洗剤です。ただしセッケンの水溶液はアルカリ性なので、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの多い硬水では、セッケン分子はそれらと結合してしまい洗浄力が著しく低下します。硬度の高い水ではこうしたセッケンは泡立たないのです。
そこで生まれたのが中性洗剤です。中性洗剤は水溶液が中性となるので不溶分をつくらず、硬水でも良好な洗浄力を示します。
この中性洗剤の主成分は界面活性剤です。セッケンも界面活性剤の一種ですが、ほとんどが石油化学製品である中性洗剤と違って、セッケンは天然油脂を原料としています。

化学的な洗浄法は人体にも悪影響

界面活性剤による油汚れ落としは、界面活性剤の分子が油汚れを包み込み、水の中に分散させる形で行なわれます。これとは別の化学的な洗浄法が、酸・アルカリや塩素、また酵素を利用したものです。
風呂場の壁や浴槽、トイレの便器の汚れやカビを落とすのに使われる洗剤は、酸・アルカリや塩素の化学作用を利用したものです。これらは化学的に汚れを分解することで洗浄効果を示しますが、人体や環境にとってもかなり危険なものです。近年は酵素を配合した洗剤が多く出回っています。酵素は触媒作用をもったタンパク質で、カビや細菌などたんぱく質の分解を促進します。
洗濯用洗剤
セッケン、合成洗剤(主成分は界面活性剤)、クレンザー(主成分は鉱物の微粒子ですが、泡立ちタイプの製品には界面活性剤が加えられています)。
台所用洗剤
合成洗剤(主成分は界面活性剤)。
バス・トイレ用洗剤
合成洗剤(主成分は界面活性剤)、カビ取り剤(酸・アルカリ系、塩素系)
家具・台所用洗剤
合成洗剤、ワックス剤など

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