パステル・クレヨン・絵具 成分 を解説ドガの技法から天然顔料に含まれる金属毒性まで

02/20/2026

パステル・クレヨン・絵具 成分
パステル・クレヨン・絵具 成分

パステル・クレヨン・絵具 成分 を解説ドガの技法から天然顔料に含まれる金属毒性までをまとめています。

画材の成り立ちから、巨匠ドガが愛した革新的な技法、そして美しい色彩の裏側に隠された重金属の毒性までを詳しく解説します。表現の可能性と、安全に創作活動を楽しむための知識を整理しました。

バレリーナの動きの一瞬をとらえ、それをパステルの柔らかな色調で表現したのは、印象派を代表する巨匠ドガです。

線描を大切にし、大胆で奇抜なレイアウトや対象の瞬間を鋭く捉える優れた独特の目で、初期には歴史画や肖像画、発展期から円熟期には競馬、舞台、踊り子など都会的なモチーフや、日常生活に見られる浴槽など風俗的モティーフを描きました。
パステルは顔料にトラガカントゴムやアラビアゴム(天然ゴムとは異なる植物の分泌物で、造粘剤として使われます) などを混ぜて棒状に固めた画材です。

パステル・クレヨン・絵具 成分

パステル、クレヨン、絵具の成分構成を比較し、ドガが確立した独自の混合技法を紐解きます。あわせて、シルバーホワイトやバーミリオンなど、天然顔料に含まれる鉛や水銀といった金属毒性の歴史とリスクについてもまとめた解説記事です。

油絵具と違って乾くのを待たず、上から塗り重ねることができます。このパステルにヒントを得て、大正年間、幼児でも使いやすいようにパラフィンなどを加えてつくられたのが日本のクレヨンです。クレヨンが少し油くらいと感じた人も多いはずです。

ただ、クレヨンは重ね塗りができないので、その後まもなくクレパスが開発されました。クレパスとは日本のクレヨンとフランスのパステルの両方の長所を取り入れたことからのネーミングです。

水彩絵具には透明水彩と不透明水彩とがあります。児童用の絵具は合成染料が使われますが、耐久性が要求される専門家用のパステル、絵具(水彩用、油絵用、日本画用、版画用) には天然の無機顔料が使われます。天然の無機顔料の多くが岩石や鉱物から得ているのは、岩石や鉱物に含まれる金属が絵具の色に関係してくるからです。これらの絵具の中には、かなり毒性の強い金属を含むものがあります。古い絵画からはげ落ちる絵具の破片にも注意したほうがいいでしょう。

まとめ

パステル、クレヨン、絵具といった画材は、それぞれ異なる材料構成と特性を持っています。本稿では、画材の基本的な成分構造、印象派の画家が実践した革新的な技法、そして天然顔料に含まれる重金属のリスクについて解説します。

画材の基本成分と構造

画材は主に、色を生み出す顔料と、それを支持体に定着させる展色剤(バインダー)によって構成されています。顔料が発色を担い、展色剤が画面への密着や耐久性を左右します。

パステルは、顔料にごく少量の粘土や糊を加えて固めたものです。

展色剤の割合が少ないため、顔料そのものの鮮やかな色彩を活かせる点が特徴です。

一方、クレヨンは顔料をワックスや油脂で練り固めた画材で、滑らかな描き味と高い固着性を持ちます。さらに、絵具は顔料に液体状の展色剤を混合したもので、水彩ではアラビアゴム、油彩では乾性油などが用いられます。これにより、筆を使った多様な表現が可能になります。

ドガの革新的な混合技法

印象派の画家エドガー・ドガは、複数の画材を組み合わせる技法を積極的に取り入れたことで知られています。

パステル作品では、描画後に定着液を吹き付け、その上からさらに色を重ねることで、通常よりも厚みと深みのある色層を生み出しました。

また、パステルを蒸気で湿らせて柔らかくし、ペースト状にして描く方法や、油彩の上にパステルを重ねる手法など、画材の特性を横断的に活用しました。こうした試みによって、人物の肌の質感や衣装の透明感を繊細かつ立体的に表現することが可能になりました。

天然顔料と金属の毒性

歴史的に使用されてきた天然顔料の中には、重金属を含むものがあり、取り扱いには注意が必要です。

鉛を含むシルバーホワイトは、油彩の乾燥を促進する特性がありますが、鉛中毒の危険性が指摘されています。

鮮やかな赤色で知られるバーミリオンには水銀が含まれ、粉じんの吸入や加熱によって健康被害を生じる可能性があります。また、カドミウムを含むカドミウム・イエローや、ヒ素を原料としたパリ・グリーンなども、毒性や長期的な健康リスクが問題とされてきました。

現在では、安全性の高い合成顔料への置き換えが進んでいます。しかし、伝統技法の再現や古典作品の修復に携わる現場では、これらの物質に接する可能性があるため、適切な知識と防護対策が求められます。

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