ポリ塩化ビフェニル 危険性

2024/11/04環境ホルモンの種類

ポリ塩化ビフェニル 危険性 について紹介します。ポリ塩化ビフェニル (PCB )は、18世紀後半に人工的に合成された、絶縁作用の強い化学物質。実際に使用されるようになったのは20世紀に入ってからです。これらは 209 種類にも及びます。

ポリ塩化ビフェニル 危険性

1929年にアメリカでビフェニルと塩素を結合して合成された化学物質のPCBは化学的に安定性が高く、熱にも強く燃えにくく、さらに絶縁性にも長けていることから、トランス、スイッチ、ブレーカー、その他、熱媒体やノーカーボン紙などに広く使われるようになりました。

ところが1966年スウェーデンの学者が天然の魚からPCBを発見。その時から安全性に大きな疑問が生じました。調査を行った結果、北極、南極などにまで汚染の範囲が広がっていることがわかりました。

毒性については、アメリカの大学で調査され、その結果、PCBもジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)と同様に性ホルモンの代謝に悪影響を与え、エストロゲンの分解を促進することが判明しました。
しかもPCBが天然エストロゲンを分解する能力はジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)よりも強いといわれています。

 

ポリ塩化ビフェニル 何に使われている?

PCBは、無色透明で化学的に安定で、耐熱性、絶縁性や非水溶性など優れた性質を持っていたため変圧器やコンデンサ・安定器などの電気機器用絶縁油や感圧紙、塗料、印刷インキの溶剤などに、幅広く利用されました。 PCBは、生体内にたやすく取り込まれしかも残留性が高く、皮膚障害などの慢性毒性が認められます。

ポリ塩化ビフェニル (PCB) は、塩素原子を含むビフェニル誘導体です。PCB は、1920年代から1970年代にかけて、絶縁油、絶縁塗料、潤滑油、可塑剤、防火剤などとして広く使用されていました。しかし、PCBは発がん性や生殖毒性などの健康被害を引き起こす可能性があることが判明したため、1980年代以降、多くの国で製造と使用が禁止されています。

PCBは、土壌や水に長期間残留し、食物連鎖を通じて人体に摂取される可能性があります。PCBは、体内に蓄積され、健康被害を引き起こす可能性があります。PCBによる健康被害には、発がん、生殖障害、免疫障害、神経障害などがあります。

PCBによる健康被害

  • 生殖障害:PCBは生殖毒性物質であり、流産、早産、不妊などの原因になる可能性があります。
  • 免疫障害:PCBは免疫毒性物質であり、感染症にかかりやすくなる可能性があります。
  • 神経障害:PCBは神経毒性物質であり、認知症、パーキンソン病などの原因になる可能性があります。

PCB 毒性

脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な症状を引き起こすことが報告されています。

PCBが大きく取りあげられる契機となった事件として、1968年(昭和43年)に食用油の製造過程において熱媒体として使用されたPCBが混入し、健康被害を発生させたカネミ油症事件があります。

カネミ油症事件とは、1968年に福岡県北九州市で発生した大規模な食品公害事件です。カネミ倉庫株式会社が製造していた食用油にPCB(ポリ塩化ビフェニル)が混入していたことが原因で、多くの人が健康被害を受けました。

カネミ油症事件は、1968年10月に、北九州市の西区にあるカネミ倉庫株式会社の工場で、食用油にPCBが混入していることが確認されたことで発覚しました。PCBは、発がん性や生殖毒性などの健康被害を引き起こす可能性がある化学物質です。カネミ倉庫株式会社は、PCBが混入した食用油を約100万本出荷していました。

カネミ油症は、昭和43年10月に、西日本を中心に、広域にわたって発生した、ライスオイル(米ぬか油)による食中毒事件です。症状は、吹出物、色素沈着、目やになどの皮膚症状のほか、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振など多様です。

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