精巣ガン、子宮内膜症が増加している

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人間の場合、妊娠6週目になると胎児の腎臓の近くに精巣が生成されます。これが男性ホルモンであるテストステロンを作り始めます。この働きによって男性の生殖器が発達し、正常ならば妊娠10週目くらいから胎児の精巣は、腎臓のあたりから下降をはじめ、出産直前に陰嚢までおりてきます。ところがこれが正常にいかない場合、停留睾丸になります。こうした障害をもつ男子がこの20年間で倍近くに増えています。

女性への影響をみてみると、環境ホルモンが主に女性ホルモン様の働きをして、そこでやはり生殖障害が出たり、子宮内膜症になったりするといいます。子宮内膜症は特に深刻で、アメリカ女性の10人にひとりがこの病気になる、とまで言われています。

子宮の内にある細胞組織(子宮内膜)が子宮以外のところに出てしまい増殖するものです。子宮の外というのは、たとえば卵巣、膀胱、腸などにあらわれ、月経の時に剥離していくので女性にとっては大変な痛みを伴います。しかも不妊症や骨盤内癒着などの合併症を引き起こします。
これまでの研究で、生まれて間もないマウスに女性ホルモンを投与すると、脳下垂体に異常をきたしホルモンコントリールに支障をきたすことがわかっています。プロラクチンというホルモンが常に分泌されてしまい、それが子宮内膜症の原因になることがわかっています。ほかにも精巣ガン、前立腺ガン、乳がん、子宮ガン、膣ガン、卵巣ガンなどのガンが増えているのも環境ホルモンと何らかの関係があるではないかと言われています。とくに乳がんはどれだけ女性ホルモンの暴露を受けたかによって発症率が変動すると言われています。

初潮が異常に早かったり、子供を産んだ経験のない人は、それだけ女性ホルモンの暴露期間が長くなるので、発生しやすいといいます。つまり、女性ホルモン様の働きをする環境ホルモンに長い間、暴露した人もそれだけ乳がんが発生しやすくなる可能性があります。

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