化学物質忌避コロニー 化学物質過敏症の人の生活
化学物質忌避コロニー についてです。アメリカの化学物質忌避コロニーで推奨されている解毒法は主に3つです。ひとつめがエアロビクス、ふたつめが低温サウナ 3つめがダイエット・食事療法です。化学物質過敏症であれば私たちがすぐにはじめられるのは、食事療法です。
化学物質忌避コロニー 患者の解毒と体質改善が主な目的
複数の因子、複数のプロセスがからんだ生体反応は、その因果関係を明らかにすることが簡単ではありません。
化学物質過敏症 とは、「特定の化学物質に接触し続けていると、あとでわずかなその化学物質に接触するだけで、頭痛などのいろいろの症状が出てくる状態」である。
これはアメリカ・シカゴの開業医であるセロン・G・ランドルフ博士が命名したもので、日本国内では、北里大学医学部眼科石川教授、同 宮田教授らが問題提起しています。
その原因は、「微量の化学物質の長期間における体内摂取により、体の耐性の限界を越えてしまったこと」としている。化学物質の曝露は、大気汚染や室内空気汚染、食品の残留農薬などであり、体の耐性の限界を越えることによって、その後は微量の化学物質に曝露するだけで過剰なほどに敏感となり、アレルギーに似た症状や、情緒不安、神経症、行動過多を引き起こす。
環境ホルモンとは異なり、この症状は、動物が体調の異常を言葉で示すことができないため、動物実験で客観的に証明することが困難である。そのため、世界的にも「化学物質過敏症」の存在あるいは化学物質との関連を裏付ける証拠がないとされています。
しかし、最近マスコミでも取り上げられているように、ある時期より急に、微量の化学物質に曝露するだけで、体調異常の症状を引き起こす人々が増えています。
私たちの身の周りには多くの化学物質があふれています。この症状に悩み苦しんでいる方は全国に70万人いると言われております。2009年10月3日に病名として認められたと報じられました。
セロン・G.・ ランドルフが追究したのは、未知なる原因物質でしたが、それは未知なる発症の仕組みの追究でもありました。
幸いなことにセロン・G.・ ランドルフが化学物質過敏症、という考え方に到達したときに、同時に免疫学のほうも飛躍的な進歩を遂げつつありました。アレルギーの謎は免疫学によって解かれ、そそてまた化学物質過敏症とアレルギーとの類似点や差異もしだいに解明されつつありました。
しかし、そこで解明されたのは、一般論としての化学物質過敏症であり、個々の患者における発症原因の追及とは別問題でした。そこでセロン・G.・ ランドルフは自分の説を立証するために、有害化学物質を排除した環境施設(環境制御施設)をつくったのです。その後、似たような環境施設が世界各地でつくられるようになり、これを「環境健康センター」「化学物質忌避コロニー」などと呼ばれています。
化学物質忌避コロニー は排気ガスなどの影響のない、空気が清浄で自然豊かな郊外に設けられます。化学物質過敏症の人が暮らすことになる施設内の住居には、食料の保管に必要な冷蔵庫、炊事に必要な電気コンロや食器などを除いて、不必要なものをすべて排除されます。食料も、無農薬、無添加の自然食品、水も水道水ではなくナチュラルミネラルウォーター が用いられます。
合成洗剤、化粧品なども遠ざけられ、衣類も主に天然素材のものが選ばれます。このような生活を送るうちに化学物質過敏症の原因物質が体内から排除されるのです。
こうした施設の目的は、原因物質の特定ではなく、解毒と体質改善です。アメリカの化学物質忌避コロニーにおいては、積極的な解毒方法として次のようなものが採用されています。
有害化学物質の積極的な解毒法
有害化学物質の積極的な解毒法として
- エアロビクス
- 低温サウナ
- 食事療法
の3つがどのように効果があるのかを紹介します。
エアロビクス
有害化学物質、とくに有機塩素系化合物は脂肪に蓄積しやすいので、余分な油を落として解毒します。散歩、ジョギングなどの運動療法も効果があります。
→脂肪分の多いものは極力避ける
低温サウナ
低温サウナ(約60~80度)に2時間以上入る解毒法で汗腺から毒物を排出するのが目的です。半身浴なども効果があります。
→入浴で芯からじっくり温める方法
ダイエット・食事療法
食物は人体の最大の汚染物です。そこで安全で栄養バランスにすぐれた食事で免疫力を強化します。
ここで紹介している解毒は、美容で言われているデトックスとは少し意味合いの異なるものですが、結果、美容にも効果があることは間違いありません。
食物、水、化粧品、洗剤、塗料、燃料…身近な暮らしの必需品にひそんだ化学物質に私たちの心と体が壊されていく。疲労、関節炎、大腸炎から重い鬱病まで、治りにくい現代病をひきおこす化学物質をつきとめ、劇的に症状を改善させるクリニカル・エコロジーの実際。