アレルギーを治すのはホメオスタシス
病気も健康も50%程度
化学物質過敏症の症状は個人個人それぞれ千差万別です。自覚症状として気づいていなくてもひとつやふたつ程度の症状は出ている場合が一般的です。
化学物質過敏症の症状は多彩で、百人百様の現れ方をします。健康状態の個人差というのもこうした自覚しない症状の組み合わせからなるという見方もできるのです。健康と病気とはあざなえる縄のように区別しがたいものです。
東洋医学においては、「未病」という考え方を基本にしています。それは安全な健康というのはありえず、半健康、半病気というのが、人体の当たり前の状態とみなすものです。
これは、ホメオスタシス(恒常性)という概念と通じるものでもあります。
ホメオスタシス(恒常性)といおうのは、医学、生物学、そして工学にもわたる哲学的概念で、一言で言うと、部分と全体との関係を意味する概念といえます。ホメオスタシスがバランスを保つとは、生体のようなフィードバック系をもつシステムにおいては部分と全体の調和のことを意味します。
健康を極めるポイントは健康以外にも目を向けること
化学物質過敏症やアレルギー、そしてホメオスタシスをめぐる問題は、現代都市のゴミ問題と非常に酷似しています。おおかたの都市住民はごみは規則どおりに出していればキレイに片づくと思っています。
しかし、みかけがキレイになっていてもそのしわ寄せが自然生態系の破壊をもたらしていることに気づきません。部分は見えても全体を見る目を失っているからです。
健康、あるいは、病気だけを取り上げるのではなく、たえず全体を眺めることが健康状態を維持する秘訣なのです。そのためには、身体ばかりではなく、居住環境、自然環境も含めた広い視野で生命活動全体をとらえることが必要です。
人間も地球生態系の一部をなしているものであり、もし地球にホメオスタシス機能があるとしたら、人間も含めた全体が改善に向かうように作用するに違いありません。