月別アーカイブ: 2012年11月

染毛剤は猛毒物質が含まれることも

流行の茶髪もよく考えて!

広く化粧品に含まれる染毛剤(ヘアダイ)は、化粧品(薬事法においては医薬部外品) の中でもきわめて危険な化学物質です。
かつて毛染めといえばもっぱら中高年の白髪染めを指しましたが、現在では「茶髪(ちゃばつ)」の流行などもあって、若者層にまで使われるようになりました
。髪全体を染める染毛剤のほか、部分的に簡単に染められるヘアカラー、ヘアマニキュアなどもありますが、主成分は強い毒性をもつものも多く、使用によって各種のアレルギー症状が現われることもあるので、過敏体質の人はとくに注意が必要です。
代表的な合成染毛剤であるバラフェニレンジアミン動物実験による半数致死量は、経口摂取で体重一キログラムあたり約80mg。これは成人ではスプーン一杯ほどの分量にあたり、劇毒~猛毒物質に属します。バラフェニレンジアミンやオルトフェニレンジアミン、アミノフェノールなどのアニリン誘導体は、アゾ染料(最も種類が多い合成染料) の原料となる化学物質です。化学染毛剤の歴史は、19世紀ドイツのエールリッヒが、アニリン誘導体であるアニリン色素による病原菌の染色を発見したことから始まりました。病原菌を染色するとは、病原菌とアニリン色素が化学的に結合することであり、またアニリン色素の毒性によってその病原菌が死滅することをさじ意味します。
それと同様にアニリン誘導体は血液細胞である赤血球とも結合し、赤血球の正常な酸素運搬機能を阻害するメトヘモグロビン血症を起こすことでも知られます。

  • アニリン誘導体…皮膚への付着による発疹、アレルギー性皮膚炎、吸入による気管支ぜんそく、またメトヘモグロビン血症を起こし、多くに発ガン性が報告されています。
  • ピロガロール…古くから白髪染めに用いられた没食子酸から誘導される化学物質。ブルーブラックインクの原料。毛皮や羊毛の染色にも用いられます。皮膚や粘膜への強い刺激作用があり、アレルギー性の発疹や皮膚炎のほか、色素沈着などを起こします。また、皮膚から体内に吸収され、しばしば致死的な肝・腎臓障害を起こします。
  • ヒドロキノン…写真現像剤や化学反応試薬としても使われる。皮膚や粘膜への強い刺激作用とともに発ガン性があります。

トラブル多発の化粧品

昔から使用していても安全とはいえない

男性は、化粧品の臭いを不快に思う人は多いのですが、実は、女性でも化粧品の匂いが嫌いという人は多くいます。化粧品は多くの化学物質を含みます。いったい何が主成分か分からないものが多く、香水にいたっては微量成分が企業秘密とされているものもあるほどです。

かつて、おしろいとして使われた鉛白(塩基性炭酸鉛) による鉛中毒が存在したように、苦の化粧品がまったく安全だったわけではありません。
しかし、アレルギー性皮膚炎をはじめとする皮膚のトラブルは、現代の化粧品で起きている特徴的な現象です。
化粧品に含まれる化学物質には、化学物質過敏症を誘発する原因物質も多数含まれると考えられます。個人差もあるのでそれを特定することはきわめて困難ですが、動物実験によってはっきりと発ガン性が報告されているものもたくさんあります。
現代の化粧品は薬事法において規制されています。染毛剤や脱毛剤は、化粧品と一緒に売られていますが、これらは医薬部外品(人体に対する作用が緩和である薬品およびこれらに準ずる薬品) として区別されています。もちろん、医薬部外品だから安全というわけではなく、かえって危険な化学物質を含む例もあり、安易な使用はつつしまねばなりません。

UV化粧品の危険度

高度成長期以降、新聞・雑誌、ラジオ、テレビなどの媒体を使った広告宣伝により、化粧品が大衆消費材となってからは、アレルギー性皮膚炎、刺激性皮膚炎、色素沈着型化粧品皮膚炎( いわゆる黒皮症) など、さまぎまな皮膚へのトラブルが多発しました。
このため、1982年からは、厚生大臣の指定する成分を含む化粧品はその名称を、また比較的不安定な成分を含む化粧品はその使用期限を表示することが規定されました。

また、皮膚刺激に敏感な人、アレルギー体質の人などには、パッチテスト(貼付試験) が行なわれるようになり、以前ほど大きなトラブルはなくなりました。しかし、長期にわたって使用しているうちに皮膚障害が現われることがあります。かぶれや湿疹ばかりでなく、肌への違和感が生じたら、すぐに使用を中止すべきです。

また、紫外線を吸収して皮膚の保護をうたった最近のUV化粧品(UVは紫外線の略)には、含まれる紫外線吸収剤が強い毒性をもつものもあります。宣伝文旬をそのままうのみにしてはいけません。いかに天然・自然・ナチュラルがうたわれていても、化学物質であることに変わりはありません。他の化学物質と同じ考え方に立ち、アレルギー反応や急性毒性反応がなくても、慢性毒性がないとはかぎらないとみなすべきです。化粧品の添加物および有害成分としては次のようなものがあります。どれも、アレルギーの原因となり、多くに変異原性、発ガン性が報告されています(染毛剤、養毛剤は除く)。

繊維製品は加工段階で化学物質が使われる

新しいYシャツを着るとアレルギーが出る

購入してすぐの衣類に皮膚の発疹、かゆみなどのアレルギー症状を現わす人がいます。植物系の天然繊維はセルロース、動物系天然繊維はタンパク質、合繊繊維は石炭・石油化学製品が成分であり、レーヨンなどは天然繊維に化学的に手を加えた再生繊維です。
これらの原料中の不純物がアレルギーを引き起こすことも考えられますが(天然繊維中の残留農薬など)、ほとんどは製造・加工段階で使われる加工剤によるものです。
化学物質過敏症の治療施設である化学物質忌避コロニー(環境施設) では、身の回りから有害化学物質をできるだけ排除するため、新品の衣類は何回も洗濯してから着る、ドライクリーニングには出さない、化学繊維(合成繊維や再生繊維) は避けて木綿100%の衣類を使用するといったことが徹底されます。

衣類に含まれる揮発性有機化合物

ホルムアルデヒド

衣類のしわをなくすために樹脂加工するときなどに使われます。プラスチックフィルムで密封包装されて販売されるワイシャツなどでは、布地にホルムアルデヒドが染み込み、アレルギー性皮膚炎などを引き起こします。ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質の主犯格ともみなされ、発ガン性も報告されている揮発性有機化合物(VOC) です。
毒性は、各種アレルギー性疾患、肝臓障害、発ガン性など。

無農薬栽培、オーガニック・コットンの魅力

天然繊維を利用した木綿製品も有害化学物質に汚染されています。この有害化学物質には、綿花栽培で散布される大量の農薬、繊維加工段階で使われるアルカリ(水酸化ナトリウムなど)、漂白剤、界面活性剤、そして衣料品製造段階で使われる合成糊(のり) などがあります。木綿製品は下着などに使われるので、アトピー性皮膚炎をはじめ肌のトラブルをもつ人はとくにこれらの有害化学物質による影響が心配されます。
そこで、最近では無農薬・無化学肥料の有機栽培綿を原料として、製造・加工段階でも有害化学物質をいっさい使わないオーガニックコットンの繊維製品が関心を集めています。オーガニック・コットンは、ベビー用品、肌着、寝具など一般の衣料品としても使われはじめています。

抗菌・防臭、防燃加工に使われる化学物質などにも注意

繊維は一般にその原料や化学構造から分類されます。しかし、近年は繊維の断面に凹凸をつけて絹のタッチに近づけたものとか、天然繊維では表現できないような風合いのものなど、従来の分類からはずれるようなさまぎまな高機能繊維が開発されています。
こうした新製品は、肌触りや着心地、保温性や吸湿性といった基本機能に加えて、健康、清潔、安全、快適、エコロジーが開発コンセプトになっているようです。
これらも健康繊維と称されることがありますが、オーガニック・コットンなどとは別の発想によるものであることに注意しましょう。化学物質過敏症やアレルギーから脱却するためには、新たな機能をプラスするよりも、有害因子をできるだけマイナスするという考え方が大切になります。

抗菌・防臭加工品

抗菌・防臭加工をほどこした生地を使った靴下、寝具、カーテンなど。院内感染で問題になっているMRSA (メチシリン耐性ブドウ球菌) や、病原性大腸菌O-157の増殖をある程度抑える効果をもった抗菌繊維製品も、病院やオフィス、学校向けなどに販売されています。
抗菌・防臭用の加工剤として、第四級アンモニウム塩(逆性セッケンの主成分である陽イオン界面活性剤)、トリクロサンなどの有機化合物、銀ゼオライトや酸化亜鉛などが用いられます。
これらはいずれも皮膚に接触するとアレルギーを引き起こす可能性があります。かつて抗菌剤として発ガン性のあるディルドリン( 有機塩素系殺虫剤)、T B Z (チアベンダゾール、防腐剤)、トリプチルスズ(防菌・防腐剤) などが使われていたことを考えれば、安全性は高まったといえますが、アレルギー体質の人は使用を避けたほうがよいでしょう。漂白剤の使用や加熱などによりトリクロサンから発ガン物質が発生するとの報告もなされています。●防虫・防ダニ加工製品皮膚に接触する衣類・寝具であるために、ヒノキチオール、キトサン( エビやカニなどの甲殻類から抽出した物質) などの天然系の化学物質が加工剤として使われます。【毒性】これらの加工剤の毒性は低いといわれます。ただ、化学物質過敏症やアレルギーの原因にならないとはかぎりません。●防燃加工製品力ーテンや浴衣には繊維自体にさまぎまな化学物質を加えて難燃性をもたせたものや、後(あと) 加工で布地に化学物質を染み込ませて難燃性をもたせたものがあります。

腎臓を壊してしまう大腸菌

副作用のない健康増進薬のような薬物の作用は、誰でも似たりよったりの効果しか出ませんが、副作用の強い薬物も含めて毒物はにさまぎまな症状があらわれます。
毒性の発現部位が特定の臓器に集中するときは、心臓毒、肝臓毒、腎臓毒などとも呼ばれます。
しかし、臓器障害に先立って消化器障害や呼吸器障害などが現われることは少なくありません。
また、同じ毒物でも急性中毒の症状と慢性中毒の症状が異なってきます。一方、O-157染症の治療が難しいのは、抗生物質を使って菌を死滅させると、そのとき大量のベロ毒素を出すことにあります。ベロ毒素とは、人体に尿毒症を起こさせたり、慢性腎不全を引き起こしたりするタンパク質です。
初期症状として下痢や腹痛がみられ、大腸菌という名前がつくので、消化器にダメージを与える病原菌と思われがちですが、本当の恐ろしさは腎機能を破壊することにあるのです。
人体の症状には、単純な因果関係やイメージではとてもとらえきれない禎雑な局面があるのです。

毒の作用(薬物も含めて) を根本的・包括的に理解するためには、毒を大きく神経毒・血液毒・細胞毒の3タイプに分け、60兆の細胞からなる人体を一つの巨大都市とみなし、毒の発現をその都市災害になぞらえてみると理解しやすいでしょう。

  • 神経毒…中枢神経系や末梢神経系はいわば人体内部で高度に発達した情報通信ネットワークです。この一部に異変が起きただけでも、人体の機能が瞬時にマヒしたり、パニックに陥ってしまいます。サリンのような神経ガスが瞬時に作用するのも神経毒だからです。有機リン系農薬の多くもサリンと同様の急性・慢性中毒症状を示します。
  • 血液毒…巨大都市の24時間休むことのない物流システムを破壊するように作用します。マムシやハブの毒は血液毒です。また、ペニシリン、ストレプトマイシンなどの抗生物質の一部は、赤血球の細胞膜を破壊して、溶血性貧血を起こしたりします。
  • 細胞毒…巨大都市・人体の働き手である細胞を攻撃する毒。たとえば、農薬のパラコートは強い酸化作用で細胞を破壊し、ダイオキシンはDNAを破壊して強い発ガン性を示します。界面活性剤による皮膚障害や消化器障害も細胞毒性によるものです。

シャンプーは注意!飲めば死ぬ場合も

台所の中性洗剤と同じ成分のシャンプー

シャンプーの主成分は陰イオン界面活性剤で、台所用の中性洗剤と基本的に変わりません。シャンプーはバス洗浄剤やカビとり剤ほど注意がはらわれず、風呂場の床などに気軽に置かれていたりしますが、コップ一1杯弱の量を飲んで死亡した例もあります。
乳幼児のいる家庭では、くれぐれも誤飲しないよう気をつけねばなりません。リンスとは、すすぐ・ゆすぐという意味の英語です。セッケンで髪を洗っていた時代は、アルカリ分が残ると髪をいためるので、それを中和するためにリンスが使われました。
薄めた酢でもリンスがわりになるといわれますが、これはセッケンで髪を洗った場合です。中性洗剤と成分が変わらないシャンプーが洗髪用に使われ始めてからは、リンスの目的も変わってしまいました。

リンスは毒性も低い

現在のリンスの主成分は、乳化した油脂と陽イオン界面活性剤です。シャンプーは油汚れをよく落とすあまり、髪の風合いを保つ脂肪分まで洗い流してしまいます。

シャンプーとリンスの主な成分

シャンプー

主成分は、主成分は陰イオン界面活性剤。作用中毒症状は、細胞膜の破壊作用があり、脂肪を洗い落とすことによる皮膚の荒れ、アレルギー性湿疹、目の粘膜の損傷のほか、誤飲した場合は消化管の粘膜を損傷して、嘔吐、下痢、腹痛を起こし、量によっては死に至ります。ABS(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)は、動物実験において催奇形性や発ガン性も報告されています。

リンス

主成分は塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなどの陽イオン界面活性剤。帯電防止効果もあります。
作用、中毒症状は、シャンプーにくらべて毒性は弱いので、誤飲しないかぎりあまり中毒の心配はないといわれます。ただし、添加物が化学物質過敏症やアレルギーを起こす可能性はあるので注意が必要です。

アレルギーや中毒を防ぐ安全な掃除方法

毎日掃除することでで洗剤の使用量は思った以上に減らせる

セッケンを含めて、絶対に安全な洗剤というのは存在しません。かといって、汚れをそのままにして不衛生にすると別な悪影響が生じます。結局、用途に応じた製品を選び、必要最小限の量を、事故がないように配慮しながら使用するということに尽きます。ただ、次のようなちょっとした使い方の工夫で、住まいの洗剤の使用量を減らすことはできます。

住まいの汚れ落としのポイント

バス・トイレの黄ばみ

小さなお子さんなどのがいるとどうしも汚れてしまうものです。酸・アルカリ系と塩素系タイプの洗剤は、絶対に混ぜたり一緒に使ったりしないこと。バス・トイレのしつこい黄ばみには、トイレットペーパーなどを張ったうえから洗剤を注ぎ、そのまま一時間ほど放置しておいてから(このとき換気扇を回し、窓は開放しておくこと)、ブラシなどでこすれば大抵の汚れは落ちます。

畳やカーペットのカビ

壁の上にカーペットを敷いた場合などは、特にカビが発生しやすくなります。掃除機で吸い込んではカビの胞子をかえって室内に巻き散らすことになるので、カビとり剤を染み込ませたペーパータオルなどでふき取ります。カビとり剤でなくても、消毒用アルコールでも殺菌・消毒できます。

押し入れのカビ

生えたカビについてはカビとり剤や消毒用アルコールでふき取ります。しかし、湿ったフトンなどは日光でよく干してからしまい、ときどき戸を開けて湿気を抜くことを日ごろから心がければカビの発生は防げます。それでもだめなときは除湿剤を使いますが、生石灰を用いた除湿剤は誤飲すると危険なので、幼児のいる家庭では使わないほうが賢明です。

ステンレス流し台

クレンザーで磨いたあと中性洗剤で洗います。塩素系漂白剤を使うと変色することがあります。また、塩素系漂白剤は鉄サビに触れても塩素が発生することがあるので注意しましょう。

換気扇の油汚れ

専用の洗剤でも汚れはきれいに落ちないものです。ペーパータオルなどに染み込ませてしばらく放置したのち、ブラシなどでこするとよく落ちます。

ハウスダスト

ちょっとしたホコリや油汚れを落とすのに便利な「化学ぞうきん」というものがあります。これは不織布や紙あるいはモップなどに、界面活性剤と灯油の乳濁液(エマルション) を染み込ませて乾燥させたものです。灯油に中性洗剤を数滴たらし、よく撹押して布に染み込ませれば、インスタントの化学ぞうきんがつくれます。ただし臭うので室内では使わないこと、灯油が揮発するのでアレルギー体質の人も使わないほうが無難です。