洗剤、食品、化粧品」カテゴリーアーカイブ

繊維製品は加工段階で化学物質が使われる

新しいYシャツを着るとアレルギーが出る

購入してすぐの衣類に皮膚の発疹、かゆみなどのアレルギー症状を現わす人がいます。植物系の天然繊維はセルロース、動物系天然繊維はタンパク質、合繊繊維は石炭・石油化学製品が成分であり、レーヨンなどは天然繊維に化学的に手を加えた再生繊維です。
これらの原料中の不純物がアレルギーを引き起こすことも考えられますが(天然繊維中の残留農薬など)、ほとんどは製造・加工段階で使われる加工剤によるものです。
化学物質過敏症の治療施設である化学物質忌避コロニー(環境施設) では、身の回りから有害化学物質をできるだけ排除するため、新品の衣類は何回も洗濯してから着る、ドライクリーニングには出さない、化学繊維(合成繊維や再生繊維) は避けて木綿100%の衣類を使用するといったことが徹底されます。

衣類に含まれる揮発性有機化合物

ホルムアルデヒド

衣類のしわをなくすために樹脂加工するときなどに使われます。プラスチックフィルムで密封包装されて販売されるワイシャツなどでは、布地にホルムアルデヒドが染み込み、アレルギー性皮膚炎などを引き起こします。ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質の主犯格ともみなされ、発ガン性も報告されている揮発性有機化合物(VOC) です。
毒性は、各種アレルギー性疾患、肝臓障害、発ガン性など。

無農薬栽培、オーガニック・コットンの魅力

天然繊維を利用した木綿製品も有害化学物質に汚染されています。この有害化学物質には、綿花栽培で散布される大量の農薬、繊維加工段階で使われるアルカリ(水酸化ナトリウムなど)、漂白剤、界面活性剤、そして衣料品製造段階で使われる合成糊(のり) などがあります。木綿製品は下着などに使われるので、アトピー性皮膚炎をはじめ肌のトラブルをもつ人はとくにこれらの有害化学物質による影響が心配されます。
そこで、最近では無農薬・無化学肥料の有機栽培綿を原料として、製造・加工段階でも有害化学物質をいっさい使わないオーガニックコットンの繊維製品が関心を集めています。オーガニック・コットンは、ベビー用品、肌着、寝具など一般の衣料品としても使われはじめています。

抗菌・防臭、防燃加工に使われる化学物質などにも注意

繊維は一般にその原料や化学構造から分類されます。しかし、近年は繊維の断面に凹凸をつけて絹のタッチに近づけたものとか、天然繊維では表現できないような風合いのものなど、従来の分類からはずれるようなさまぎまな高機能繊維が開発されています。
こうした新製品は、肌触りや着心地、保温性や吸湿性といった基本機能に加えて、健康、清潔、安全、快適、エコロジーが開発コンセプトになっているようです。
これらも健康繊維と称されることがありますが、オーガニック・コットンなどとは別の発想によるものであることに注意しましょう。化学物質過敏症やアレルギーから脱却するためには、新たな機能をプラスするよりも、有害因子をできるだけマイナスするという考え方が大切になります。

抗菌・防臭加工品

抗菌・防臭加工をほどこした生地を使った靴下、寝具、カーテンなど。院内感染で問題になっているMRSA (メチシリン耐性ブドウ球菌) や、病原性大腸菌O-157の増殖をある程度抑える効果をもった抗菌繊維製品も、病院やオフィス、学校向けなどに販売されています。
抗菌・防臭用の加工剤として、第四級アンモニウム塩(逆性セッケンの主成分である陽イオン界面活性剤)、トリクロサンなどの有機化合物、銀ゼオライトや酸化亜鉛などが用いられます。
これらはいずれも皮膚に接触するとアレルギーを引き起こす可能性があります。かつて抗菌剤として発ガン性のあるディルドリン( 有機塩素系殺虫剤)、T B Z (チアベンダゾール、防腐剤)、トリプチルスズ(防菌・防腐剤) などが使われていたことを考えれば、安全性は高まったといえますが、アレルギー体質の人は使用を避けたほうがよいでしょう。漂白剤の使用や加熱などによりトリクロサンから発ガン物質が発生するとの報告もなされています。●防虫・防ダニ加工製品皮膚に接触する衣類・寝具であるために、ヒノキチオール、キトサン( エビやカニなどの甲殻類から抽出した物質) などの天然系の化学物質が加工剤として使われます。【毒性】これらの加工剤の毒性は低いといわれます。ただ、化学物質過敏症やアレルギーの原因にならないとはかぎりません。●防燃加工製品力ーテンや浴衣には繊維自体にさまぎまな化学物質を加えて難燃性をもたせたものや、後(あと) 加工で布地に化学物質を染み込ませて難燃性をもたせたものがあります。

腎臓を壊してしまう大腸菌

副作用のない健康増進薬のような薬物の作用は、誰でも似たりよったりの効果しか出ませんが、副作用の強い薬物も含めて毒物はにさまぎまな症状があらわれます。
毒性の発現部位が特定の臓器に集中するときは、心臓毒、肝臓毒、腎臓毒などとも呼ばれます。
しかし、臓器障害に先立って消化器障害や呼吸器障害などが現われることは少なくありません。
また、同じ毒物でも急性中毒の症状と慢性中毒の症状が異なってきます。一方、O-157染症の治療が難しいのは、抗生物質を使って菌を死滅させると、そのとき大量のベロ毒素を出すことにあります。ベロ毒素とは、人体に尿毒症を起こさせたり、慢性腎不全を引き起こしたりするタンパク質です。
初期症状として下痢や腹痛がみられ、大腸菌という名前がつくので、消化器にダメージを与える病原菌と思われがちですが、本当の恐ろしさは腎機能を破壊することにあるのです。
人体の症状には、単純な因果関係やイメージではとてもとらえきれない禎雑な局面があるのです。

毒の作用(薬物も含めて) を根本的・包括的に理解するためには、毒を大きく神経毒・血液毒・細胞毒の3タイプに分け、60兆の細胞からなる人体を一つの巨大都市とみなし、毒の発現をその都市災害になぞらえてみると理解しやすいでしょう。

  • 神経毒…中枢神経系や末梢神経系はいわば人体内部で高度に発達した情報通信ネットワークです。この一部に異変が起きただけでも、人体の機能が瞬時にマヒしたり、パニックに陥ってしまいます。サリンのような神経ガスが瞬時に作用するのも神経毒だからです。有機リン系農薬の多くもサリンと同様の急性・慢性中毒症状を示します。
  • 血液毒…巨大都市の24時間休むことのない物流システムを破壊するように作用します。マムシやハブの毒は血液毒です。また、ペニシリン、ストレプトマイシンなどの抗生物質の一部は、赤血球の細胞膜を破壊して、溶血性貧血を起こしたりします。
  • 細胞毒…巨大都市・人体の働き手である細胞を攻撃する毒。たとえば、農薬のパラコートは強い酸化作用で細胞を破壊し、ダイオキシンはDNAを破壊して強い発ガン性を示します。界面活性剤による皮膚障害や消化器障害も細胞毒性によるものです。

シャンプーは注意!飲めば死ぬ場合も

台所の中性洗剤と同じ成分のシャンプー

シャンプーの主成分は陰イオン界面活性剤で、台所用の中性洗剤と基本的に変わりません。シャンプーはバス洗浄剤やカビとり剤ほど注意がはらわれず、風呂場の床などに気軽に置かれていたりしますが、コップ一1杯弱の量を飲んで死亡した例もあります。
乳幼児のいる家庭では、くれぐれも誤飲しないよう気をつけねばなりません。リンスとは、すすぐ・ゆすぐという意味の英語です。セッケンで髪を洗っていた時代は、アルカリ分が残ると髪をいためるので、それを中和するためにリンスが使われました。
薄めた酢でもリンスがわりになるといわれますが、これはセッケンで髪を洗った場合です。中性洗剤と成分が変わらないシャンプーが洗髪用に使われ始めてからは、リンスの目的も変わってしまいました。

リンスは毒性も低い

現在のリンスの主成分は、乳化した油脂と陽イオン界面活性剤です。シャンプーは油汚れをよく落とすあまり、髪の風合いを保つ脂肪分まで洗い流してしまいます。

シャンプーとリンスの主な成分

シャンプー

主成分は、主成分は陰イオン界面活性剤。作用中毒症状は、細胞膜の破壊作用があり、脂肪を洗い落とすことによる皮膚の荒れ、アレルギー性湿疹、目の粘膜の損傷のほか、誤飲した場合は消化管の粘膜を損傷して、嘔吐、下痢、腹痛を起こし、量によっては死に至ります。ABS(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)は、動物実験において催奇形性や発ガン性も報告されています。

リンス

主成分は塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなどの陽イオン界面活性剤。帯電防止効果もあります。
作用、中毒症状は、シャンプーにくらべて毒性は弱いので、誤飲しないかぎりあまり中毒の心配はないといわれます。ただし、添加物が化学物質過敏症やアレルギーを起こす可能性はあるので注意が必要です。

アレルギーや中毒を防ぐ安全な掃除方法

毎日掃除することでで洗剤の使用量は思った以上に減らせる

セッケンを含めて、絶対に安全な洗剤というのは存在しません。かといって、汚れをそのままにして不衛生にすると別な悪影響が生じます。結局、用途に応じた製品を選び、必要最小限の量を、事故がないように配慮しながら使用するということに尽きます。ただ、次のようなちょっとした使い方の工夫で、住まいの洗剤の使用量を減らすことはできます。

住まいの汚れ落としのポイント

バス・トイレの黄ばみ

小さなお子さんなどのがいるとどうしも汚れてしまうものです。酸・アルカリ系と塩素系タイプの洗剤は、絶対に混ぜたり一緒に使ったりしないこと。バス・トイレのしつこい黄ばみには、トイレットペーパーなどを張ったうえから洗剤を注ぎ、そのまま一時間ほど放置しておいてから(このとき換気扇を回し、窓は開放しておくこと)、ブラシなどでこすれば大抵の汚れは落ちます。

畳やカーペットのカビ

壁の上にカーペットを敷いた場合などは、特にカビが発生しやすくなります。掃除機で吸い込んではカビの胞子をかえって室内に巻き散らすことになるので、カビとり剤を染み込ませたペーパータオルなどでふき取ります。カビとり剤でなくても、消毒用アルコールでも殺菌・消毒できます。

押し入れのカビ

生えたカビについてはカビとり剤や消毒用アルコールでふき取ります。しかし、湿ったフトンなどは日光でよく干してからしまい、ときどき戸を開けて湿気を抜くことを日ごろから心がければカビの発生は防げます。それでもだめなときは除湿剤を使いますが、生石灰を用いた除湿剤は誤飲すると危険なので、幼児のいる家庭では使わないほうが賢明です。

ステンレス流し台

クレンザーで磨いたあと中性洗剤で洗います。塩素系漂白剤を使うと変色することがあります。また、塩素系漂白剤は鉄サビに触れても塩素が発生することがあるので注意しましょう。

換気扇の油汚れ

専用の洗剤でも汚れはきれいに落ちないものです。ペーパータオルなどに染み込ませてしばらく放置したのち、ブラシなどでこするとよく落ちます。

ハウスダスト

ちょっとしたホコリや油汚れを落とすのに便利な「化学ぞうきん」というものがあります。これは不織布や紙あるいはモップなどに、界面活性剤と灯油の乳濁液(エマルション) を染み込ませて乾燥させたものです。灯油に中性洗剤を数滴たらし、よく撹押して布に染み込ませれば、インスタントの化学ぞうきんがつくれます。ただし臭うので室内では使わないこと、灯油が揮発するのでアレルギー体質の人も使わないほうが無難です。

洗剤を混ぜると危険

洗濯用・台所用洗剤と違って、バスタブ用洗剤、トイレ用洗剤、タイルのカビとり剤などには、強い毒性をもった化学物質が使われます。これは物理的に汚れを落とすのが困難であったり(タイルの目地のカビなど)、大面積で手間がかかったり( バスタブのア力落とし)、不潔感があって手を汚すのを嫌ったり(トイレの便器の汚れ落とし) するためです。
これらの化学系洗剤は、酸・アルカリあるいは塩素による汚れの有機物の分解作用を利用したものです。いずれも単独でも皮膚粘膜への強い刺激・腐食作用をもっているので注意が必要ですが、何よりも注意しなければならないのは、酸・アルカリ系洗剤と塩素系洗剤との混和です。猛毒の塩素を大量に発生させるからです。混和しなくても、酸・アルカリ系のバス・トイレ用洗浄剤を使ったあと、さらに汚れを落とそうと、すぐに塩素系洗剤(塩素系漂白剤を含む)を使ったため、発生した塩素によって中毒死するという事故が起きています。

塩素は第一次世界大戦でドイツ軍が用いた毒ガスです。目、鼻、気道の粘膜への強い刺激性性があり、肺から吸収されて細胞を損傷します。塩素系洗剤は通常の使用状態でも、わずかながら塩素が発生するので(カルキ臭というのは塩素の臭い)、狭いトイレや風呂場を締め切ったまま、塩素系洗剤で汚れ落とし作業をするのはきわめて危険です。

事故が起きて以来、洗剤のパッケージには大きく「危険!混ぜるな」などの注意書きがかかれていますが、特に注意しなければなりません。

酸・アルカリ系

主成分は塩酸や水酸化ナトリウムなどの強酸・強アルカリ。皮膚や粘膜に対する強い刺激・腐食作用があります。
応急処置は、皮膚に接触した場合、目にはいった場合はすぐに水でよく洗い流します。目に痛みが残るようであれば医師の診断を受けます。誤飲した場合は吐かせず、水や牛乳を飲ませて希釈し、すぐに医療機関で治療を受けます。

塩素系

主成分・は次亜塩素酸ナトリウムなど。酸化漂白剤と同じ成分・作用で有機物を分解します。強い毒性をもつ塩素が発生します。応急処置は、皮膚や目への接触は、酸・アルカリ系洗剤と同じです。塩素を吸収したらすぐに新鮮な空気のところに移動します。目がチカチカしたり涙や鼻水が出たり、呼吸困難などの症状があれば、塩素中毒の危険性があるので医師の診断を受けます。

漂白剤、パイプクリーナーの危険性

漂白剤とたわしのさびが中毒症状を起こした例もある

「漂白」とは有機物の分解反応のことです。そのため殺菌や、腐敗物の脱臭にも効果を発揮します。塩素に強い殺菌作用があるようにみえるのは、水溶液中で塩素が次亜塩素酸となり、この次亜塩素酸が反応性の激しい酸素を放出して、細菌類の細胞の元素と結合し、酸化してしまうからです。漂白には酸化漂白と還元漂白があります。
現在、家庭で使われる洗濯用漂白剤、台所用漂白剤、トイレやバスのカビとり剤などの主成分は次亜塩素酸ナトリウムです。これはサラシ粉による殺菌・消毒と同じ化学反応による酸化漂白です。これらの塩素系漂白剤は、漂白・殺菌過程で猛毒の塩素を発生するので、苦から多くの中毒事故を引き起こしてきました。とくに酸・アルカリ洗剤との混合は、塩素の発生を促進することになるので絶対にしてはなりません。また塩素系漂白剤は、クレンザーに含まれる成分や、鉄サビによっても塩素を発生します。漂白剤をかけ、亀の子タワシでこすっているうちに、亀の子タワシの針金のサビとの反応で塩素が発生し、中毒事故が起きた例もあります。

還元漂白は塩素を発生しないが別の危険な化学物質が使われている

還元剤による還元漂白は、酸化漂白ほど強い効果はありませんが、塩素を発生しないため、亜硫酸ナトリウムなどがパイプクリーナー(排水パイプの詰まりを除去する洗剤) などに用いられています。ただし、亜硫酸ナトリウムも危険な化学物質であることに変わりありません。

セッケンの安全性の本当のところ

セッケンは環境にいい

セッケンの原料は古くは獣脂が使われましたが、現在はほとんどが天然の植物油となっています。動植物の油脂は炭素が直鎖状に連なった高級脂肪酸(炭素数が多いことを高級といいます) のグリセリンエステルです。
エステルはアルカリの作用によって酸のアルカリ塩とアルコール(グリセリンもアルコールの一種) に分解されます。これをケン化といいます。セッケンを製造するとき、油脂に灰が混ぜられるのは、灰に含まれるアルカリ分によってケン化を行なうためです。
ケン化とは漢字では鹸化と表わすように、もともとセッケン(石鹸) 製造の技術から知られるようになった化学反応です。セッケンが環境にやさしいといわれるのは、自然の中で分解されやすいからです。

一方、石油化学製品である合成洗剤はなかなか分解されず、生態系を破壊し環境汚染をもたらします。

界面活性剤入りは危険

合成洗剤の主成分である界面活性剤の人体への毒性、環境への悪影響が広く知られるようになって、洗濯用・台所用洗剤として粉セッケンが見直されるようになりました。しかし、洗濯用や台所用のセッケンにも界面活性剤が含まれているものがあるので注意が必要です。家庭用品品質表示法では、洗剤はその成分によって表のように示すよう定められています。
しかし、純セッケン分( 石けんまたはカリ石けん) が100% のセッケンにも、各種添加剤が含まれるものがあります。
化学物質過敏症、アトピー性皮膚炎などのアレルギーの原因にもなりかねないので、合成洗剤はもちろんセッケンも安易な使用はしないことです。幼児や痴呆性老人が、粉末あるいは固形セッケンを誤食するという事故はしばしば発生します。
吐き出したりするので大事には至りませんが、セッケンにもやはりタンパク質変性作用があるので下痢や腹痛などの症状が現われます。とりわけ殺菌作用のある薬用セッケンは、セッケンの名がついていても、界面活性剤はじめ皮膚障害の原因となる各種の化学物質が加えられています。誤飲はもちろん目に入ってもかなり危険なので、幼児の手の届かないところに置く必要があり、湿疹、かぶれが現れたり、目などへの違和感を感じたらすぐに使用を中止します。
無添加の安全セッケンはこちら。

細胞を破壊してしまう界面活性剤

殺菌用に使われる逆性セツケンは、死亡事故まで

洗濯や食器洗いに使われる合成洗剤の主成分は、石油・石炭を原料として合成された界面活性剤です。界面活性剤の分子は、水になじみやすい親水基と、油となじみやすい親油基という部分をもっています。界面活性剤という名称は、化学的に反発しあう水と油の境界面で、両者をとりもつような働きをすることに由来しています。
界面活性剤の多数の分子が汚れである油成分と結合すると、やがて汚れを包み込むようになり(これをミセルといいます)、結果として繊維や食器の汚れが水溶液中に分散することになります。界面活性剤は親水基の性質の違いにより、次のように大別されています。

陰イオン海面活性剤

洗濯用・台所用洗剤、シャンプーなどに使われます。表に合成洗剤(中性洗剤) と呼ばれるものの主成分。セッケンも陰イオン界面活性剤の一種ですが、合成洗剤とは主成分において区別されます。なお、1960年代に大量に使われて、全国的な環境汚染問題を起こしたABS (アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム) は、メーカー側の自主規制によってLAS に切り替えられて、現在、製造されていません。しかし、その後、LASにも発ガン性があることが報告されています。

陽イオン界面活性剤

帯電防止効果があり、リンスインシャンプーや、洗濯用洗剤の柔軟仕上げ剤などに使われます。殺菌洗浄に使われる逆性セッケンは陽イオン界面活性剤で、タンパク質の変性作用は、陰イオン界面活性剤よりも強力で、逆性セッケンにおいては、しばしば死に至る中毒事故を起こします。

両性界面活性剤

主としてベビーシャンプー、リンス、リンスインシャンプー、洗濯用洗剤の柔軟仕上げ材などに含まれます。

非イオン界面活性剤

台所用洗剤に単独あるいは陰イオン界面活性剤と混合して使われるほか、医薬品(注射薬や輸液剤) の添加物、農薬の添加剤などにも使われます。

飲み込むと胃の具合が悪くなる

合成洗剤を使って水仕事をすると手が荒れます。これは界面活性剤が皮膚の脂を落とすばかりでなく、皮膚のタンパク質を変性してしまうことが原因です。細胞膜はリン脂質の二重層からなりますが、界面活性剤は細胞膜の二重層内部のリン脂質と結合して、細胞機能にさまぎまな悪影響を及ぼします。
高濃度の界面活性剤を誤飲すると、口やのど、胃の粘膜が破壊され、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が現われ、摂取した量によっては死に至ります。また、血液中に入り込むと赤血球の細胞膜を破壊したり(溶血作用)、慢性の肝臓障害を起こしたり、動物実験では発ガン性や催奇形性があることも報告されています。
アトピー性皮膚炎などの各種アレルギー性疾患との関係も疑われています。これは界面活性剤が細胞を破壊することにより、人体の免疫力の低下を招くからともいわれます。中性洗剤というのは液性が中性(酸性とアルカリ性の中間) という意味であり、毒性のある無しとは関係ありません。洗濯用洗剤、台所用洗剤のほとんどは中性洗剤ですが、その主成分は界面活性剤であり、界面活性剤そのものが人体のすべての細胞に毒性をもっています。また、界面活性剤には製造段階での不純な副産物も混じっています。品質表示だけでは危険度は評価できませんが、一般に目に痛みを感じるような合成洗剤ほど毒性が強いといわれます。濃度が高いほど毒性も強まるので、使い過ぎを控えることも心がけるべきです。

歯磨き粉にも含まれる

朝晩、歯ブラシにつけて、口の中の粘膜と接触させる歯磨き剤には、強い毒性をもつものはないとはいえ、口内炎やアレルギーの原因となるような化学物質が数多く含まれます。歯周病の予防には歯磨き剤など使わない単なるブラッシングのほうが効果的という歯科医もいるほどです。含有成分がやたらに多かったりする歯磨き剤は避け、清涼感を求めて大量に使うのも改めたほうがよいでしょう。発泡剤と表示があるのは界面活性剤です。アレルギー体質の人は、界面活性剤を使わないセッケン歯磨きを使うべきです。
→セッケン歯磨きはこちらです。arau.(アラウ) せっけんハミガキ 120g[サラヤ arau.(アラウ) せっけん歯磨き ケンコーコム]

住まいで使われる洗剤は大丈夫?

強力な洗浄力の中性洗剤は石油化学製品

家庭で使われる洗剤には、、衣類を洗う洗濯用、お皿などに洗浄に使われる、台所用、お風呂を洗うバス用、トイレを洗浄するトイレ用、家具・住宅用など多種多様なものがあります。泥汚れなどは洗剤を使わなくても、洗濯機ですすぎ洗いするか、手でもみ洗いするだけで落ちますが、繊維の間に入り込んだり、食器にべっとりと付着した油汚れは、物理的な方法では落とせなかったり、落とせても非常に手間と時間がかかるものです。
そこで油系の汚れを落とすために考え出されたのがセッケンです。ヨーロッパでは古くから動物の脂と灰を混ぜたものが衣類の油汚れ落としに利用されていました。これが洗濯用セッケンの元祖でもあります。この伝統的なセッケンを追い抜いて、現在の洗剤の主流となっているのが合成洗剤です。ただしセッケンの水溶液はアルカリ性なので、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの多い硬水では、セッケン分子はそれらと結合してしまい洗浄力が著しく低下します。硬度の高い水ではこうしたセッケンは泡立たないのです。
そこで生まれたのが中性洗剤です。中性洗剤は水溶液が中性となるので不溶分をつくらず、硬水でも良好な洗浄力を示します。
この中性洗剤の主成分は界面活性剤です。セッケンも界面活性剤の一種ですが、ほとんどが石油化学製品である中性洗剤と違って、セッケンは天然油脂を原料としています。

化学的な洗浄法は人体にも悪影響

界面活性剤による油汚れ落としは、界面活性剤の分子が油汚れを包み込み、水の中に分散させる形で行なわれます。これとは別の化学的な洗浄法が、酸・アルカリや塩素、また酵素を利用したものです。
風呂場の壁や浴槽、トイレの便器の汚れやカビを落とすのに使われる洗剤は、酸・アルカリや塩素の化学作用を利用したものです。これらは化学的に汚れを分解することで洗浄効果を示しますが、人体や環境にとってもかなり危険なものです。近年は酵素を配合した洗剤が多く出回っています。酵素は触媒作用をもったタンパク質で、カビや細菌などたんぱく質の分解を促進します。
洗濯用洗剤
セッケン、合成洗剤(主成分は界面活性剤)、クレンザー(主成分は鉱物の微粒子ですが、泡立ちタイプの製品には界面活性剤が加えられています)。
台所用洗剤
合成洗剤(主成分は界面活性剤)。
バス・トイレ用洗剤
合成洗剤(主成分は界面活性剤)、カビ取り剤(酸・アルカリ系、塩素系)
家具・台所用洗剤
合成洗剤、ワックス剤など