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金属加工による金属ヒューム熱

金属加工の際の煙が害に!

真鍮細工を行う職人には、亜鉛熱と呼ばれる難病が知られていました。近年では、これは金属ヒューム(煙霧)の吸入によって起こる金属ヒューム熱(金属熱、鋳工熱)とも呼ばれる急性の中毒症状)の一種であることが判明しています。

症状としては、金属ヒュームを吸入して数時間後に、せきや胸の圧迫感、違和感などの呼吸器系の異常、発熱、口渇感、筋肉痛、頭痛、倦怠感、知覚異常などがあらわれ、それが2~3日ほど続きます。
メカニズムは、不明ですが、たんぱく質中のSH基は金属と結合しやすい性質をもっており、肺組織に金属たんぱくができると、それを異物としてアレルギー反応が起きるようです。

従来は、安全で無害と思われていた鉄やステンレスの切断でも、金属ヒューム熱を発症することがあります。工具などが便利になり、近所のホームセンターでも購入できるようになり、鉄やステンレスの切断でも金属ヒューム熱を発症することがあるのです。

金属製品の切断、溶接の際に生じる煙は、危険物質なので吸入しないようにしなければなりません。また、メッキ、溶接、金属切断、化学処理など、恒常的に金属ヒュームにさらされる労働環境では、しだいに体内に金属が蓄積し、金属ヒューム熱とは別の慢性中毒を引き起こします。
作業環境においては、換気、マスクなどの着用、定期的な汚染濃度の検査などの対策が必須です。一過性のアレルギーにとどまらないところが金属中毒の危険なところです。

金属ヒュームの種類

  • 亜鉛ヒューム…事故数、死亡者数ともに多いのが亜鉛ヒュームによる中毒です。現在は真鍮加工よりも亜鉛メッキ綱板・綱管の切断や溶接の際に発症しています。
  • カドミュウムヒューム…各種の合金の中には、カドミウムが添加されているものがあります。こうした合金を切断、溶接したときカドミュウムヒュームが発生。微量でも中毒症状を引き起こすので注意が必要です。
  • 水銀ヒューム…水銀は公害でも問題になった物質で、気化しやすく、加熱により空気中に充満すると肺から入り人体を汚染します。消化管からの吸収はほとんどありませんが、水銀蒸気の肺からの吸収率は8割以上になります。水銀や水銀を含む製品の取り扱いは注意が必要です。
  • 銅ヒューム展銅板や銅管などの切断は行われていますが、高速回転でのカッターやドリルなどを使うと高熱により銅ヒュームが発生します。銅ヒュームは亜鉛ヒュームと似たような中毒症状を引き起こします。