食品添加物 問題 はどこにあるのでしょうか。食品添加物を非常に問題にする人と全く問題ないと理解している人がいますが、これはどういうことでしょうか。また、加工食品の原材料を見ると、見慣れない名前がスラリ。どうしてそんなに食品添加物が使われているのでしょうか?
食品添加物 問題 体への影響とは?
食品添加物と一言でいっでも、現在、厚生労働省に認可されている添加物は、約1500品目にも上ります。しかし、そのほとんどが「品質を長持ちさせる」「見栄えをよくする」「味をそれらしくする」ことを目的として使用されています。
腐敗を防ぐ保存料や、酸化を防ぐ酸化防止剤、酸味料、甘味料、凝固材、香料など、さまざまな用途があり、それぞれにいくつもの種類があります。
- 保存料 保存料は、食品や化粧品、医薬品、洗剤、塗料などの製品に添加され、製品の品質や安定性を維持するための物質です。一般的には、微生物の成長を抑制するために使用されます。保存料には、天然由来のものや合成化合物があります。食品の場合、天然由来の保存料としてはビタミンCやビタミンE、ローズマリー抽出物、クエン酸、酢酸などがあります。一方、合成化合物としては、安息香酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸などがあります。
- 酸化防止剤 酸化防止剤は、食品、化粧品、医薬品、プラスチックなどの製品に添加され、酸化による品質の劣化や変色を防止するための物質です。酸化防止剤には、天然由来のものや合成化合物があります。天然由来の酸化防止剤には、ビタミンEやビタミンC、カルシウムなどがあります。一方、合成化合物としては、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、プロピルガラート、トコフェロールなどがよく使われています。
- 酸味料 酸味料は、食品や飲料などに酸味を付けるために使用される物質です。酸味料は、天然のものと人工的に作られたものがあります。天然の酸味料には、レモンやライムなどの柑橘類、リンゴ酸、クエン酸、酢酸などがあります。一方、人工的に作られた酸味料には、クエン酸、リン酸、マレイン酸、リンゴ酸エステルなどがあります。
- 甘味料 甘味料とは、食品や飲料などの製品に甘味を与えるために使用される化学物質や天然物質のことです。甘味料は、砂糖や蜂蜜のような自然界から得られる糖分以外の甘味を提供し、カロリーを低減することができます。一般的な甘味料には、砂糖アルコール(キシリトール、エリスリトール、マルチトール)、人工甘味料(アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK)、天然甘味料(ステビア、モンクフルーツエキス)などがあります。
- 凝固剤 アガー、カラギーナン、ペクチン、カゼイン、カルラギーナンなどの天然の凝固剤や、さまざまな酵素や酸を使った凝固剤が使用されます。例えば、ゼラチンは動物の骨や皮などから抽出され、プリンやムースなどのデザート、ジャム、コーヒークリーマー、ジュース飲料などの凝固剤として使用されます。アガーは、海藻から抽出され、寒天やゼリー、アイスクリーム、加工肉製品、菓子などに使用されます。
- 香料 香料は、食品や化粧品、医薬品などに使われる、香りをつけるための化学物質や天然物質のことを指します。食品の香料は、食品本来の香りや味を補完するために使用され、例えばバニラやココアなどが代表的なものです。また、芳香剤やボディケア製品、洗剤などの消耗品にも多く使われています。
食品添加物が人の体に及ぼす影響は、以前から繰り返し指摘されています。最も不安なのは発がん性です。ハムやちくわの結着剤、品質改良剤として使用されているリン酸塩は、発がん性が指摘されている食品添加物の代表格です。
カルシウム不足による骨の形成異常や、鉄分吸収の阻害による貧血などの原因になるともいわれています。
害があるとわかっているのに使用するのはなぜ?
食品添加物を加工食品メーカーが多用せざるを得ない理由のひとつに低価格競争があります。安価な商品を求める消費者の声に答えるために、質の悪い原材料を使って加工食品を製造するのです。さらに、現在の流通の流れに乗せるには、賞味期限が長くなければいけません。
そこで、保存料や酸化防止剤が添加されます。保存科、なかでもソルビン酸Kは保存効果が高い一方で、食品の味を低下させます。そのため、甘味料や旨味調味料を添加し、昧を補う必要が出てきます。このような悪循環が、食品添加物の多用に繋がっているのです。
味覚の画一化や人格形成に影響も
食品添加物で味を補うと、結果的にさまざまな食品の食味が同じになってしまいます。消費者自身はさまざまな種類の食品を食べているつもりでも、じつは同じ食味ばかりで、同じ味覚細胞ばかり刺激される可能性があります。
このような刺激の偏りが人格形成に影響し、イライラや「キレやすい人」の原因になっていると指摘する声もあるのです。
食品添加物の不安は数えきれないほどありますが、その使用量は一向に減る気配をみせません。原材料表示の規則については食品添加物の名前を簡略化したり、物質名ではなく、「酸味料」「香味料」といった一括名で表示するなど、消費者が詳しく知ることができない表示が認められており、その動きは今も強まっています。
組み合わせによっては…
ひとつの食品に何種類も食品添加物を使うケースが増えています。ひとつひとつの食品添加物の安全性は証明されていても、それらが体内で一緒になったときの危険性はほとんど調査されていません。しかし危険性が判明している食品もあります。
例えば、しょうゆや清涼飲料水に使用するパラオキシ安息香酸(保存料) と亜硝酸Na(発色剤)が合わさると、紫外線下で発がん性のある変異原性物質を作るといわれています。
パラオキシ安息香酸は、化粧品や家庭用品などの製品によく使用される保存料や抗菌剤です。一部の人々は、この物質に対してアレルギー反応を起こす可能性があります。さらに、パラオキシ安息香酸は、環境において分解される際に、ダイオキシンと呼ばれる有害物質を生成する可能性があります。
亜硝酸Naは、肉製品や魚製品などの加工食品において、鮮やかな赤色を保つために使用される発色剤です。ただし、亜硝酸Naは、加熱調理や消化作用によって亜硝酸に変わり、亜硝酸は発がん性物質であるニトロソアミンを生成する可能性があるため、健康に影響を与える可能性があります。