生活防衛マニュアルと環境ホルモンについて考える

ダイオキシン 危険性 発がん性や生殖毒性、免疫毒性がある

ダイオキシン 危険性

ダイオキシン 危険性

ダイオキシン 危険性 について紹介します。なんと 1 g で 1 万数千人もの人が死んでしまうという猛毒化学物質。その毒性の強さは青酸カリの 1000 倍以上、サリンの 2 倍です。最近になってダイオキシンも環境ホルモンであることがわかってきました。甲状腺ホルモンの濃度を操作し、過剰に分泌させて口蓋裂という奇形を発生さます。

加えて高濃度のダイオキシンを与えると精巣が萎縮することから性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの濃度も変化させます。

ダイオキシン 危険性

日本では1983年に行った調査で中国、四国、九州地方の 12 カ所のごみ焼却場から、ダイオキシンが検出されています。ダイオキシンは遺伝子のみではなく、中枢神経にも影響を与える上に発ガン性が確認されています。

ベトナム戦争では、ダイオキシンが不純物として含まれていた枯れ葉剤が使われ、散布された地域で多くの流産や奇形児の出産が増加したといいます。

ベトナム戦争に従事していた兵士達の血液中に含まれるダイオキシン濃度を検査したところ非常に高濃度のダイオキシンが検出されました。

当然ですが、この兵士たちの妻は不妊、早産、流産、奇形などの発生率が高く、特に奇形については、ベトナム戦争と無縁の人と比較すると 15 倍にもなりました。

ダイオキシンの問題を遙か昔のベトナム戦争で使われた薬剤だと思っている人も多いのですが、現代社会の周りにもたくさん存在しているのです。

紙の原料であるパルプの漂白にはかつて塩素が使用されていました。漂白に一緒に使われる消泡剤やパルプの成分などが塩素と反応するとダイオキシンが発生します。

製紙工場では、防腐剤としてペンタクロフェノールという化学物質を使っていますが、この中にダイオキシンが混ざっています。また分析技術の発展によりダイオキシンが製品である紙にもふくまれていることがわかりました。

ペンタクロフェノールは、5つの塩素原子が付いたフェノールです。フェノールは、水に溶けやすく、殺菌剤や防腐剤として使用されています。ペンタクロフェノールは、発がん性や生殖毒性などの健康被害を引き起こす可能性があります。また、ペンタクロフェノールは、土壌や水に残留し、食物連鎖を通じて人体に摂取される可能性があります。

日常的に使用するトイレットペーパーやティッシュペーパーのような製品からもダイオキシンが検出されたのです。現在では、紙の漂白には、塩素の代わりにオゾンや過酸化水素水などが使用されるようになり、紙にダイオキシンが混ざることとはなくなりました。

また、多くの食品には微量ではありますが、ダイオキシンが混入しているのです。母乳には牛乳に含まれるダイオキシンより多くのダイオキシンが含まれています。家畜がダイオキシンを含んだ食品を食べることで、それらの肉や乳製品にもダイオキシンが含まれてしまうのです。日常的に食べる魚にもダイオキシンは含まれます。また、木などを燃やす際にもダイオキシンは発生します。一般的には 1 トンのゴミを燃やすと 0.1 mg のダイオキシンが出るといいます。

焼却炉からダイオキシンが出る理由

ダイオキシンは、燃焼する際に不完全燃焼を起こすことで発生する化学物質です。焼却炉は、ごみや廃棄物を燃焼させて熱エネルギーを得る施設ですが、不完全燃焼を起こすとダイオキシンが発生します。

ダイオキシンは、発がん性や生殖毒性、免疫毒性などの毒性を持つため、環境への影響が懸念されています。そのため、焼却炉からダイオキシンが排出されないように、様々な対策が講じられています。

ダイオキシンの排出を抑えるためには、以下の対策が有効です。

  • 燃料の選定:ダイオキシンの生成量が少ない燃料を使用すること。
  • 燃焼温度の管理:高温で燃焼させることで、ダイオキシンの発生を抑制すること。
  • 燃焼の制御:十分に燃焼させることで、ダイオキシンの発生を抑制すること。
  • 排ガスの処理:排ガスをろ過や吸着により、ダイオキシンを除去すること。

これらの対策により、ダイオキシンの排出量を大幅に削減することができます。

世界保健機関では、ダイオキシンの 1 日あたりの耐容摂取量を体重 1 kg あたり 10 ピコグラムと定めています。体重が 50 kg の人であれば、500 ピコグラムとなります。この値はどんどん下がっていくに違いありません。
ダイオキシン問題への取組み

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