金属ヒューム熱 危険 金属加工の際の煙が害

03/15/2023

金属ヒューム熱 危険 金属加工の際の煙が害になります。真鍮細工を行う職人には、亜鉛熱と呼ばれる難病が知られていました。近年では、これは金属ヒューム(煙霧)の吸入によって起こる金属ヒューム熱(金属熱、鋳工熱)とも呼ばれる急性の中毒症状)の一種であることが判明しています。

金属ヒューム熱 危険 金属加工の際の煙が害に!

金属ヒューム熱 危険
金属ヒューム熱 危険

真鍮細工を行う職人には、亜鉛熱と呼ばれる難病が知られていました。近年では、これは金属ヒューム(煙霧)の吸入によって起こる金属ヒューム熱(金属熱、鋳工熱)とも呼ばれる急性の中毒症状)の一種であることが判明しています。

金属加工による煙は、人体に有害な物質を含んでいるため、健康被害の原因となります。煙に含まれる有害物質は、金属の種類や加工方法、温度、空気の循環状況などによって異なりますが、一般的には以下のようなものが含まれます。

  • 金属粉塵: 金属を削ったり、研いだりする際に発生する粉塵は、肺に入り込んで健康被害を引き起こすことがあります。
  • 一酸化炭素: 金属を溶接する際に発生する一酸化炭素は、呼吸器系に影響を与えるだけでなく、中毒症状を引き起こすこともあります。
  • 有害な金属元素: 金属加工によって、有害な金属元素が発生することがあります。例えば、鉛、クロム、カドミウムなどは、健康被害の原因となります。
  • 揮発性有機化合物: 金属の溶剤や塗料に含まれる揮発性有機化合物は、人体に吸収されると健康被害を引き起こします。

症状としては、金属ヒュームを吸入して数時間後に、せきや胸の圧迫感、違和感などの呼吸器系の異常、発熱、口渇感、筋肉痛、頭痛、倦怠感、知覚異常などがあらわれ、それが2~3日ほど続きます。

メカニズムの詳細は、不明部分も多いのですが、たんぱく質中のSH基は金属と結合しやすい性質をもっており、肺組織に金属たんぱくができると、それを異物としてアレルギー反応が起きるようです。

従来は、安全で無害と思われていた鉄やステンレスの切断でも、金属ヒューム熱を発症することがあります。

鉄やステンレスの切断時には、切断面から金属ヒューム(切粉)が発生し、切断面と切断刃の摩擦熱によって金属が加熱されます。この過程で金属ヒュームや加熱された金属表面から煙やガスが発生し、健康被害の原因となる可能性があります。

工具などが便利になり、近所のホームセンターでも購入できるようになり、鉄やステンレスの切断でも金属ヒューム熱を発症することがあるのです。DIY が注目をあびて一般の方でもプロ並に金属加工が行えてしまうので注意が必要です。

金属製品の切断、溶接の際に生じる煙は、危険物質なので吸入しないようにしなければなりません。

また、メッキ、溶接、金属切断、化学処理など、恒常的に金属ヒュームにさらされる労働環境では、しだいに体内に金属が蓄積し、金属ヒューム熱とは別の慢性中毒を引き起こします。
作業環境においては、換気、マスクなどの着用、定期的な汚染濃度の検査などの対策が必須です。一過性のアレルギーにとどまらないところが金属中毒の危険なところです。

金属ヒュームの種類

  • 亜鉛ヒューム…事故数、死亡者数ともに多いのが亜鉛ヒュームによる中毒です。現在は真鍮加工よりも亜鉛メッキ綱板・綱管の切断や溶接の際に発症しています。
  • カドミュウムヒューム…各種の合金の中には、カドミウムが添加されているものがあります。こうした合金を切断、溶接したときカドミウムヒュームが発生。微量でも中毒症状を引き起こすので注意が必要です。
  • 水銀ヒューム…水銀は公害でも問題になった物質で、気化しやすく、加熱により空気中に充満すると肺から入り人体を汚染します。消化管からの吸収はほとんどありませんが、水銀蒸気の肺からの吸収率は8割以上になります。水銀や水銀を含む製品の取り扱いは注意が必要です。
  • 銅ヒューム…展銅板や銅管などの切断は行われていますが、高速回転でのカッターやドリルなどを使うと高熱により銅ヒュームが発生します。銅ヒュームは亜鉛ヒュームと似たような中毒症状を引き起こします。

金属加工による煙による健康被害を防ぐために

  • 通風: 金属加工場には、通風装置を設置し、十分な換気を確保することが大切です。
  • 保護装備の着用: 金属加工作業員は、マスク、保護めがね、耳栓、手袋などの保護装備を着用することが必要です。
  • 作業場所の清掃: 金属加工作業後には、作業場所を清掃することが大切です。
  • 現場監督者の教育: 金属加工作業員に、煙の有害性について正しい知識を提供し、安全な作業を行うように指導することが必要です。

 

素材そのものが化学物質

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